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仕事の知恵袋

2022年1月29日◆ ◆ 総論景気拡大・各論格差拡大 ◆ ◆

一体我が社はどうなるのか?

日本経済の現状を確認すると、原材料価格の高騰といった悪材料によるインフレ傾向や新型コロナウイルスの状況等の影響はありますが、前年より景気拡大基調になると思われます。

唯これは総論的には景気拡大ですが、各論的には格差拡大と尾ひれがつきます。

世の中は前年より、景気拡大しますが、全ての企業ではなく、各論的には企業間の格差が拡大になると考えております。

過去2年間の経営環境激変がもたらした影響は大きく、
〇収益構造変化(売上高低下、粗利益率低下)
〇財務構造変化(借入金増加による財務体質悪化)
〇就業構造変化(在宅勤務等によるコミュニケーション結束の低下)
〇商品構造変化(定番商品比率の低下)
〇顧客接点の変化(直接訪問の激減化)
〇経営機能分解(営業機能の変化、働き方変化)等による従来当たり前のビジネ
ス慣習・思考が打ち崩されてきました。

その中での総論景気拡大です。

例えば、2020年、2021年で売上高が前年比70~80%と2年連続と減少したケースで考えると自己資本比率が30%以上ないと財務体質的には凌ぎにくいのが本筋です。しかし、今回は給付金や緩和された借入金が助けてくれただけです。その恩恵の返済がやってきます。

又、売上高に占める定番商品の売上比率が落ちている企業が増加しています。半面をそれを穴埋めするヒット商品は生まれましたでしょうか。企業の適正利益を確保できる商品・サービスが少なる事は、口に食べ物を入れない状態になりますので、企業の体力は確実に落ちます。

つまり世の中は景気拡大だが、一体我が社はどうなるのか?

世の中の景気拡大はヒトゴトで、我が社の景気をワガコトで考える事です。ワガコトで考える視点は色々ありますが、下記の視点を参考にしてください。

・会社の生き方(進む道)の明確化(存在意義)
・衰退マーケットで残存者利益を奪う事
・固有技術をベースにした戦う武器を創る
・強みを活かして勝てる土俵を見つける
・プロ化
・既存習慣を捨てる思考力と実行力と高める
・数値計画をありたい期待値ではなく、あるべき義務値で考える

●固有技術をベースにした戦う武器を創る(ソニーグループのEV車進出)
吉田社長は記者会見で「センサーやクラウド、5G、エンターテインメント技術、コンテンツを組み合わせる必要がある」と指摘した。ソニーグループはこうした技術を一社で手がけており、「モビリティーを再定義する好位置に付けている」と強調し、電気自動車(EV)事業を担当する新会社を2022年春に設立すると発表した。EV車を巡る競争が激しくなっているが、EVの事業化に向けた本格的な検討に入る。

●既存習慣を捨てる思考力と実行力と高める(リクシルの事務所活用方法変更)
新しいオフィスは面積を約9割減らすという大胆な見直しを決めた。グループ会社を含めて約8000人いるが、21年11月時点で出社率は10~15%程度だった。新しいオフィスを、「従業員が執務に当たる場所ではなく、コミュニケーションとコラボレーションをする場所」と位置付ける。

上記の2つの例は大企業の事例ですが、組織は小さければ小さい程、ビジネスは因数分解してシンプルにすればするほど、過去のしがらみを断つことができ、ビジネス環境激変に対応できる可能性が高くなりますし、その形態が中小企業だと思います。

強い会社はより強くなり、弱い会社はより弱くなる格差拡大の時代到来です。

ご参考にしてください。
                               
                             以上
 
                                       マイスター・コンサルタンツ株式会社
                 代表主席コンサルタント 小池浩二


 

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