コラム

継栄の軸足

企業基盤のインフラ整備

基礎的な能力が劣る中小企業人間集団が・・・

■素材で勝てなければ素材を磨く環境で勝つ

多くの中小企業を手術・治療してきた経験則でみると経営の第一義は継続して栄える事であり、その為に奇策はない。やるべき事をキチンとやる事の繰り返しが会社を強くする。
中小企業の社員は大企業の社員と比較すると基礎的な能力は劣る。しかし、何とかこの会社で頑張っていこうとする『労をいとわない職業人としての姿勢』は立派である。では何故当たり前の事が出来ないのか?それは能力がないから出来ないのではなく,今までやった事がなかったり、やり方が解らず今は出来ていなかったり、習慣化されていなかったり、学習能力の差だけである。
よくよく考えてみれば、選ばれし天才集団のプロ野球選手でさえ、自主トレ・キャンプで反復練習したプレーしか公式戦ではやらない。基礎的能力の高い集団でさえそうなのに、基礎的な能力が劣る中小企業人間集団が『事前準備せずに鍛えないで』本番に突入したら負けるのは当然の事である。
素材で勝てなければ素材を磨く環境で勝つ風土を創る事が勝てる集団を創造していく。
その環境とは ①公開経営 ②全社員参画経営 ③一体感をベースにした会社のシステムである。

■土壌づくり

中小企業は経営者の背中を中心とした一体感で成長してきた。その一体感の創り方を全社員参画型の公開経営をベースにした一体感づくりへと変革させねばならない時期にきている。特に創業者だから出来たやり方と後継者が出来るやり方は根本的に違う。

企業基盤のインフラ整備とは、木で例えると土壌である。この目に見えない部分がしっかりしていないと木は成長しない。仮に大きな木の幹・葉をつけていても根っこが腐り始めると倒れる。企業基盤のインフラを整備するとは、まるで生き物であるかの様に丁寧に水をやり、陽の光を当て、根づかせ、そして血を通わせる事である。血を通わせるとは『社員に対して常にそのことを訴え続け、浸透させること』である。そして雨の日・台風の日にはどの様に備えるかを事前に対応出来るようにする事である。
土壌がしっかりし、そこに物選びが良いと会社は成長軌道に乗る。そして人選び、人づくり、金づくりが整い始めると会社は飛躍的に成長していく。

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