コラム

仕事の知恵袋

2018年3月15日◆ ◆ 育成には真似るモデルを示せ ◆ ◆

学ぶの原点は真似る・・・

 
■チームメンバーの最も身近なお手本はサブリーダー
 
下の人間は良くも悪くも上を見て、育ちます。学ぶの原点は真似ることです。
野球少年がイチロー選手のスイングを真似するように、サッカー少年が本田選手の無回転フルーキックを真似するように。誰もが経験のあることです。これは職場でも同じ事です。
新しいメンバーは常にサブリーダーの仕事振りをよく見て、真似して、育っていくものです。
つまり、サブリーダーはメンバーに対して、ある意味『真似るモデル』を示していく事になります。仕事の内容、チームの動かした方、OJTの仕方等々です。常に見られている事を意識すべきです。
しかし、見られているから、完璧にこなそうと力まない方がよいですし、そもそも職場に神様は要りません。完璧にこなす神様は、真似るモデルにはなりません。その人は選ばれし選民ですから。あのイチロー選手でさえ、10回の打席で4回もヒットは打てません。勿論仕事では、その確率は参考にはなりません。
しかし重要な事は、神様思考は権威主義を生み出しやすくなります。権威主義とは『俺は上だから、リーダーだから、メンバーより全て上なんだ』というわけのわからない思考回路になりがちです。
あくまでも仕事の役割、チームを動かす役割で役職が就いているだけです。仕事以外の体験・経験の豊富さや人間性が上回っているとは限りません。
 
■神様思考
 
私の経験上からすると、神様思考の人ほど、簡単な基本動作をサボったり、無視してチームに迷惑をかける人が多いように感じます。ですから、ありのままの自分を見せれば十分です。「ありのまま」とは、真似をしてほしい部分(見習ってほしい)と真似されたくない部分(見習ってほしくない)が当然あります。真似してほしいところは、自分に自信がある部分で是非、積極的に教えていきましょう。逆に真似されたくないところは、メンバーと一緒に学んでいけばよいだけです。
日本の名優、大滝 秀治さんのいわれた言葉に『自信と謙虚 、驕りと卑下』というのがあります。本当に謙虚な人は、自信がある人。自信に裏打ちされて、謙虚になれる。謙虚であるということは、心を開いて受け取ること。つまり、自分の弱さを認める強さです。出来ないのに、出来ると見せかける行為。これは自分を卑下していきます。
自分を卑下していくと『何で自分だけが、なぜあいつが・・・等』とエゴだけが巨大化します。こうなると、何も身に付きません。その逆が驕り高ぶりです。根拠のない優越感ほど始末が悪いものはありません。一緒に学ぶ姿勢を理解していただき、メンバーの真似るモデルを示していきましょう。
 
ご参考にしてください。
                                                                                                              以上
 
 
                                 マイスター・コンサルタンツ株式会社
 
                                代表主席コンサルタント 小池浩二
 

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