V.30億の壁を突破出来ない企業の実例

《1.【要人材が会社の成長に追いつけない人材空洞化現象】の事例B社》
(1)会社概要
@昭和60年に現社長が創業され、年商は15億、21億、29億と急成長し、企業規模も5事業部・6営業所体制となった建設業である。
A従業員30人ぐらいまでは社長がまとめていたが、異能事業部、事業所が多くなり、社員に任せる組織運営が上手くいかなかった。
B急激な企業規模拡大で寄集め集団のバラバラ状態で起こる問題点で苦しんでいた。

《2.突破できずに苦しんでいた状況》        ( )数値は全国平均
・経営方針に関し、明確とする社員が26.4%(34%)と少ない
・社内の規律に関し、よく守られているとする社員が56%(74%)、守られていないとする社員が44.4%(26%)と多い
経営は規模との戦いでもあるが、急拡大の会社成長に人・システムの成長が追いついていないのが、現状であった。

典型的な業容急拡大の寄集め集団のバラバラ状態である。組織を動かす為にルール・基準づくりに出来る範疇で対応しようとするが、進まない。ルール・基準づくりの形は作っても、戦術機能を司るマネージャーが現場の仕事に追われ、上手く回らない。

つまり、人の成長スピードが会社の成長スピードに圧倒的についていけない典型的な状態であった

・組織や命令系統は乱れているとする社員が43.%(26%)と多い
・ノルマは過大であるとする意識が高い48%(19%)
・計画の変更が多いとする社員が多い54%(35%)
・監督者階層が不足しているとする社員が70%(16%)と高い
上記のような現象は、トップ方針を現場に落す機能がないために起こる現象である。

この事例B社は何も手を打たなかったわけではない。それなりにルールづくりに取り組んではいた。しかし、社長方針を現場に落す作業を「機能をつくる事」で対応するのではなく、「個人に頼ったやり方」で行った為に上手くいかなかった。

売上急拡大に対応し、設備投資資金の発生、原価計算の曖昧さ、資金の入出金の曖昧さと運転資金の悪化により、資金繰りが厳しくなる。そしてノルマは厳しくなっていく悪循環に陥っている。

・退職者が多いすると社員が69%(19%)と高い

事業が急速に伸び、増えたため、専門知識・技術を教える機会が少なく、人材育成がままならず、退職者が多いすると社員が69%と非常に多い。

この規模になると、ライン機能とスタッフ機能の役割を明確にしていく必要性が出てくるが、不明確で縦・横のコミュニケーションがうまく流れずに業務効率が悪化していた。

組織運営のギアチェンジは「機能をつくる」事であり、この機能を動かす人をつくる事が人財育成である。つまり、『足し算型経営』から『掛け算型経営』の組織運営が出来る人財・システムが必要になる。

・稼ぐ部門の拡大を多面的に展開を図ると営業所展開になる。

・出城がある事は経営の運営レベルが急激にアップするのと同時に経営者のパワーが分散されるので営業所を立ち上げ・運営していくノウハウがないと失敗するケースが多い。

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