コラム

継栄の軸足

決め事を決まった様に実践する技術

決め事が決まった様に出来れば、社長の苦虫はなくなる。

■悩みを消すには、小難しい理屈はいらない

社長の大半の悩みを消すには、小難しい理屈はいらない。
決め事が決まった様に出来れば、社長の苦虫はなくなる。多くの社長はこのテーマで悩む。人間集団レベルの高い会社は、決め事をキチンと守る。
決め事を守れる会社は1ランク上の会社である。何故なら、決め事を守らせる事に労力を割かないで済むからである。5S運動の『躾』である。
言ってもやらない集団、言ったら何とかやる集団、言われなくてもやる集団ではどの集団が1番業績が良いか一目瞭然である。

■決め事を作れないから、烏合の集団になる

決め事とは『誰が、何を、どのような方法で、目標はいくらで、いつまでにやるか』を決める事である。この決め事を発生させる種類は①業績に関係するもの②経営方針に関係するもの③基本動作に関するもの④会社のルールに関するものに大別される。
そして、その決め事を決める機会は①会議②ミーテイング③上長からの指示命令である。井戸端会議と業績検討会議の違いは決め事が出るかでないかである。井戸端会議の特徴は反省の在り方に表れる。やるべき決定事項が明確でないから、出てきた数字の反省しか出来ない。目標に対して上か下か、その理由は毎月鋳型で作った恒例の反省内容を繰り返す。『何を、いつから、どうしたから業績はこうなった』と真の要因を掴む習性が身に付いていない。よい時もあれば悪い時もある。大事な事は何故良かったのか、悪かったのか、その要因を掴まないと学習能力は高まらないし、学習効果は発揮できない。
だから、人が育たないし、業務の改善が出来ないし、業績が上がらない。私の経験で観ると、どの会社・店も毎年同じ時期に同じ事をやるのが基本ベースである。月別の製品製造、商品販売の実績をみれば解る。
現環境下では同じ仕事を同じやり方でやると3年経つと間違いなくマンネリになる。学習能力・効果が発揮できない組織は再現化と予防化が出来ない。再現化とは出来ない人が出来るようになる事であり、予防化とは失敗を繰り返さない事である。これがノウハウである。
ノウハウは貯まらず、マンネリばかり貯め込んで、いつもデタトコ勝負を挑む戦い方になるから苦戦する。

■決め事を守らない会社に業績のご褒美は訪れない。

神様は良く見ている。決め事を守らない会社には、業績が訪れないようにしている。
否うちの会社は業績は上がっているよと言われる会社もある。しかし真の業績創りにはなっていない。確かに物選びがよいと業績は一時的には上がる。
O社もそうであった。社長のアイデアがよく、高齢者を対象にした旅行ビジネスを30年前から展開した。勿論日本で1番最初の展開である。確かにその狙いは正しかった。一時は年商50億、社員100名を超える企業まで成長された。しかしその社内は方針・決め事を守らない集団であった。ある出来事を境にあっという間に業績は急降下し、青色戸息になってしまった。今ではこの社長のアイデアは大手旅行会社に活用されている。
決め事を守る集団の歴史は最初から守れたわけではない。本質は守らせる躾をしたから、決め事が決まった様に出来たのである。
指示命令という基本動作がある。指示命令を出す方は出したつもりだが、出された方は自覚症状がないケースがある。心当たりのある方は多いのではなかろうか。指示命令とは人を動かす事である。人に鎖を付けて動かすと捕まる。具体的に誰が、何を、どのような方法で、目標はいくらで、いつまでにやるかを伝え、やり方が解らなければ教える。そして中間報告はいつしなさいと指示する。当然だが、メモを取らせ、復唱させ、確認させる、これは内容を共有化する為である。
これが指示命令の基本である。これと同じ要領であるが、決定事項はその内容を関係する人に公開し、共有させる。公開、共有化する事で決め事をやらないと職場に居られない風土作りになる。
やる人は言われなくてもやる。しかしやらない人はやらない。このやらない人をやらせる環境づくりである。
その守らせる躾方法は2種類ある。
『守らせる人を創る事』と『守らせるシステムを創る事』である。

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