コラム

継栄の軸足

一体感

貴方の会社だろうが、ソニーだろうが創業時は同じ・・・

■中小企業の成長要因

中小企業の成長要因を一つだけ挙げるならば『一体感』である。
日本の経済を支える中小企業の一体感を研究した国がある。それはアメリカである。1980年代のアメリカは日本企業の攻勢にあいながらも徹底的に日本企業の持つ強みを研究した。その結果、強みの源泉として『一体感としての求心力』と『チーム力』といった目に見えないものが出された。
そこに強い関心が高まり、戦略・経営の仕組み等のハードウエア部分と経営理念・組織力等のソフトウエア部分の研究がなされ、この両輪が重要であると認識された。
会社には必ず創業があり、人、物、金、実績、信用なしのナイナイ尽くしでスタートする。そこにあるのはお客様に喜んでもらう為に何をしたらよいかを寝る時間を惜しんで考え、実行する事のみであった。
その姿勢が評価され、お客様が増え、仕事量が増加し、売上が上がり、初めて社員が増員され、会社が成長していく。
そこには、普遍的な創業の精神が葵の御紋のように威厳を放ち、会社全体に一体感を宿らせる。
創業の精神とは商売に対する姿勢であったり、お客様に対する姿勢であり、言い換えればオヤジの無言の背中でもある。
これは貴方の会社だろうが、ソニーだろうが創業時は同じである。

■創業者と後継者の一体感の創り方

一体感をベースに会社運営を行う事は変わらないが、一体感の創り方が変化している。
創業者と後継者の一体感の創り方は根本的に違う。
創業者は会社をオギャと産み落とし、時には涙しながら、時には怒りながら、時には笑顔で会社という子供をどんどん大きくしてきた。何も無いところから創り上げる創業者は尊敬され、その存在だけで一体感を創られた。反面、バトンを受ける後継者の一体感の創り方は協調、共有、参画型で創らねばならない。
昭和50年代に創業された会社は後継者へバトンタッチの時期に来ている。経営者が60代であり、後継者が30代である。
私が勧める一体感の創り方は『会社運営方法の仕組みを後継者が社員と一緒に汗を流し、創りあげる方法』である。そうする事で後継者が会社の事、従業員の皆さん方の性格をよく知る事が出来る。又、後継者の実績づくりになるし、社員も自分達が参画して作った仕組みなので理解するし、実行する。バトンを受けてもスムーズに経営の舵取りが出来るのである。

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