コラム

社長の心

資金なくして継栄なし!

この会社も専門バカの幹部が会社の資金なくして継栄なしのつながりを切っている

■専門バカの幹部

販売なくして事業なし、資金なくして継栄なし。
これは経営を運営するに当り、当然の事であり、息を吸ったら吐くようにつながらないといけない。
これがつながらないから経営者は苦悩する。
言葉は悪いが、専門バカが多い会社によく見受けられる。専門バカとは自分の得意分野しか興味がなく、会社を運営するその他の施策に見向きもしない人の事である。
材料を仕入れ、製品を作り、販売しても納品・検収までしか興味がなく、その先の代金の回収・仕入れ代の支払等は何処吹く風状態である。

■働く環境変化

あるA社は過去3年で年商が15億、22億、30億と急成長企業である。
この会社も専門バカの幹部が会社の資金なくして継栄なしのつながりを切っている。
この会社は建設業であるが、施主から仕事を請け、下請け業者を活用しながら仕事を進めている。
その部門のトップにI部長がいる。基本業務として下請け業者の管理等を中心に役割を持っているが、全く部門のコントロールタワーの機能を果たしていない。
通常、建設業の場合、実行予算を組み、工期の進捗状況に合わせ、許容原価をはじき出し、目標利益を確保する為に最終原価の調整を行う。この機能を入れないと実行予算で組んでいる利益は取れず苦戦する。
会社で働く環境は良くなったが、利益は下がり、年収も下がったでは本当の意味での働く環境が良くなった事になるだろうか?

答えはNOだろう。

■役割認識

頑張るというガンバリズムは職業人として最低の事であり、その上に知識・技術の向上、役割認識等が加わり、初めて正しい働き方になるのである。
私のつたない経験から見ても、どの会社のどなたに聞いても、必ず自分は頑張っている思っている。
肝要な事はその頑張り方がその人なりでは困る。
会社の中でその人の果たすべき役割がある。それが役職であり、報酬である。
経営はバランスであり、その環境に合わせ変化していく。
専門バカを否定するわけではない。しかし幹部として業務を遂行する役割なら弊害をもたらすガンになる。

自分の得意分野しか興味がなくその分野を極めたい人はその道を行けばよい。
しかし幹部としての役割を担うのであれば専門バカから脱皮しなければならない。

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