コラム

仕事の知恵袋

2017年9月4日◆ ◆ What do you think(君はどう思う)? ◆ ◆

会社なりの思考回路を植え付けろ

■既存衰退病

 

既存の商品を既存の方法で、既存のマーケットに提供するだけでは、売上高は確実に減少し、粗利益率は下がり固定費を吸収できなくなる。

その対応として、大手企業は3?5年先の業績を作る部隊として商品開発部やマーケティング部が存在し、新しい戦略にチャレンジしている。

そして、これを前提にして単年度の業績を作る部隊の営業部や製造部がある。

しかし、中小企業にはこのような機能分離が出来ない。出来ないからやれないでは、会社に未来はやってこない。

日本における全ての企業は新しい戦略テーマの展開が求められている。

1粒チョコレートの超ロングセラー商品を提供している老舗の中小駄菓子メーカーのチロルチョコは、国内の少子化・健康志向の影響で中国に向けた定番商品の輸出に力を入れ始めている。あれだけ強い商品を保有しても既存だけでは生き残れない状況になっている。これも既存衰退病からの脱却策である。

 

■今の若い者は?

では、既存衰退病からの脱却策を中小企業の場合は、誰が展開するのか?

それは、社長・役員・部門長クラスが実践するしか方法はない。そうなると現場のチーム運営はサブリーダー・中堅社員が主体的に回せるようになる事が求められ、これができる会社が将来的に生き残れるといわれる。社長・役員・部門長の戦略展開とサブリーダー・中堅社員のチーム運営は、どちらも実践経験は少ないから大変であるが、難易度はサブリーダー・中堅社員のチーム運営の方が高い。

サブリーダー・中堅社員の方々が現場で

〇若い人達の感覚が分からない

〇何を考えているかの理解できない』等の声をよく聞くが、このような意見がでるのは当然の帰結でもある。

『今の若い者は?』といつの時代も語られてきたが、明らかにデジタル・SNSで育った世代は違います。客観的に考えると、第3次産業革命が本格化して育った世代は、第2次産業革命の延長線で成長してきた世代と違うのは当然でもある。SNS(Social Network Service)が生活の一部となっているが、2004年にスタートして13年経過しており、高校1年生から始めた人は現在29歳となっている。

SNSを活用して育った世代は、自分の本音を人前では語らないといわれる。若手社員だけでミーテイングを行うと発言したA君のよい意見、B君のよい意見を継ぎ合わせて体裁のよい答えをまとめる。見栄えはよいが、逆に自分達の主張が無い事になる。主張が無いから、状況変化において考える力が弱くなる。反面全般的な事への知識認知度は高く、基礎的能力が高いのは事実である。

 

■会社なりの思考回路

人は言われた事には反発し、自分で気付いた事には自発的に取組む。

人は教えられた事は忘れ、自分で考えた事は覚える。

「What do you think(君はどう思う)?

若手社員には、一方的にこうしろ、ああしろというのではなく、『君はどう思う?』と問いかける機会を増やすほうが、成長していく。

教えるだけはなく、若手社員が持っている自分の考えを引き出す事が今の時代の人財育成方法への対応である。若手社員の考え方が会社なりの考え方と合致しているかどうかを確認する。もし違うならば会社なりの思考回路を知らせ、理解させたうえで、何回も何回も確認して会社なりの思考回路を習慣化させる事が必要。会社なりの思考回路を植え付けると自然と社長・上司の考える問題意識を踏襲するようになり、若手社員は急成長していく。

コーチングという考え方があり、その語源は「馬車(coach)」で、「大切な人を目的地まで送り届ける役割を担う乗り物」という意味があり、

〇目標達成に向かってサポートする人

〇人の持っている能力を発見し引き出す人を「コーチ」と呼んでいる。

コーチは「横から目線」で、触れ合いをベースに自発的な行動をうながし、継続してサポートする役割です。このような視点が若手社員への対応には重要になっています。

 

ご参考にしてください。

 

                                以上

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