逆に衰退する企業になってしまう事も・・・
■企業規模を維持していく弊害
社員100人以上の規模になると、その規模を維持する為に売上高拡大に力を入れざるを得ない時期もある。
増えた固定費を吸収する為に無理に売上高増大の方向性に舵取りを変更していくと、業績の基盤である『自社の強み』の維持・強化に力を入れられなくなる事がある。
売上高は地域業界でトップだが、
ナンバーワンの商品・サービス力を持っていない企業となり、成長企業の軌道から外れてしまい、逆に衰退する企業になってしまう事もあります。
■圧倒的な強みを持つ事
社員100人以上突破の本質は、『圧倒的な強み』を持つ事である。
そして、その強みを継続的に支持してくださるお客様を創り出す独自の経営総合力を持つ事がポイント。
経営総合力とは以下の3点。
◆経営要素としての人・モノ・カネ・管理・情報・技術
◆経営機能としての経営部門・各部門の機能
◆会社運営に必要な4つの力
・規模を支える仕組みづくり(基盤力)
・規模を動かす組織運営(現場力)
・規模を動かす人のレベルアップ(推進力)
・規模をつくる健全な成長(戦略力)
強みを持つとは、対象とする事業で地域市場や業種分野において圧倒的な優位性を持つ事が重要。つまり勝てる土俵を創り上げる事。中小企業が戦うマーケットサイズは年間30億マーケットがベスト。この規模ならば大手企業は進出してこないので、戦うライバルは同等以下の企業になる。
勝てる戦略づくりの最大成功要因は、負けないマーケットで戦う事に尽きる。逆説では、勝てる土俵を探す事である。
■市場占有率の法則
〇市場占有率 7% 存在シェア(競争市場で認められる)
市場での存在価値を認められ、同業者から注目される
〇市場占有率 11% 影響シェア(市場に影響力を与える)
市場内での影響力が持てる。11%の市場占有率の店が売出しなどを行うと、 同業他社の売上げが低下する
〇市場占有率 26% トップ可能性シェア(群れから脱出)
同業他社を徐々に引き離してトップとなれる可能性がでてくる
参考として飲料業界サントリー27%、コカ・コーラ18%、伊藤園10%
〇市場占有率 42% トップ独走シェア(圧倒的に強くなれる)
このレベルになると、同じ販売努力を続ければ、市場占有率は高まりトップとして相対的優位をつくれる。 参考としてトヨタ47%、セブンイレブン65%
〇市場占有率 74% 独占シェア(絶対に安全)
市場を独占した形となり、極めて有利に営業展開をすることができ、ライバルに奪われる心配はきわめて少ない
1つの事業分野には市場規模の限界があります。やみくものな規模拡大ではなく、事業戦略を的確に構築していくシナリオを事がこれからの戦略。今迄、中小企業ではマーケットサイズ・シュアにあまり関心が薄いようでしたが、縮小型・成熟型・プロ型市場での戦略作りでは必要性が高まっています。
例えば、マーケットサイズ30億で仮定すると、
〇市場占有率 26% トップ可能性シェアで7,8億
〇市場占有率 42% トップ独走シェアで12,6億
自社の戦っている、これから戦おうとしているマーケットサイズとシュアを意識してみると、見えないものが見えてきます。
ご参考にしてください。
以上
マイスター・コンサルタンツ株式会社
代表主席コンサルタント 小池浩二