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仕事の知恵袋

2020年12月18日◆ ◆ 捨てる事で手に入れるもの ◆ ◆

何かを明確に捨てる事で上記の状態を手に入れている・・・・

■捨てる事
 
「捨てる」事が出来ない企業は、無意識のままに過去のしがらみにとらわれて身動きが取れなくなる事が多い。
要らないものを捨てる事で新しい展開を実施していく労力・時間等のスペースが生まれる。このスペースを確保せずに、新しい事をやるから失敗する。
又、捨てる事で現状・将来に対する健全な危機感が生まれ、活性化がはかられる。
 
 ■危機感が捨てる事を後押したA社
 
30年前にIT企業を創業されたA社は、Y社長が創業され、年商4億・社員30名の企業に成長されました。IT業界は第3次産業革命のキーテクノロジーとして、社会インフラの基盤となり発展しましたが、ITの中小企業は下請体質が強く、プログラマーの派遣やシステ
ム業務請負の主要業務は大手企業の二次・三次・四次下請けの構造になっています。
 
中小IT企業の収益構造は、
・社員100名・売上高10億企業でも、経常利益率は0.01%の1000万、
・一人当たりの経常利益は10万と収益は低い
外部環境や顧客動向が変化すると赤字に陥る企業が多い業界でもあります。
 
Y社長は2008年のリーマンショック時に、契約とは関係なしに派遣先から急遽、社内に社員達が戻され、売上高が半減になりました。大変な危機感を持ち、中小IT企業の生き残る道は自社商品を持たないといけないと確信し、自社商品開発を10年前から挑戦。
 
■A社の決断
 
どの中小企業でもそうですが、新しい展開を実施する時に商品開発部やマーケテイング部があるわけではない。
しかしその機能は必要!
では誰がやるのか? 結果、社内の幹部層が兼任で行うのが実態。
 
A社は自社商品開発に思い切って経営幹部1名に数名のスタッフを付けてチャレンジさせた。その代わりに担当する経営幹部の顧客は捨て、派遣業務での売上高が下がる事は見込んでの覚悟の決断です。
A社の自社開発商品は、動画配信システムです。今では、その商品は非常に好評で日本の超大手企業から直接問合せがあり、採用・導入している企業も誰が知っている大企業が多い。開発当初は商品の価格設定、売り先、売り方もわからず、右往左往していたが、ユーザーに教えられながら、この動画配信システムは成長。
 
開発から10年目でA社の売上高構成が
・派遣業務 45%   
・自社製品  55%と初めて逆転した。
 
結果、経営数値の売上高営業利益率は22%の特Aランクの数値を叩きだしました。
 
■捨てる事で手に入れるもの
 
私の経験則ですが、
・営業利益率20%~30%の企業体
・マーケットシュアNO1 の事業を展開出来ている企業は
何かを明確に捨てる事で上記の状態を手に入れていると確信しております。
 
ご参考にしてください。
                               
                             以上
 
                                      マイスター・コンサルタンツ株式会社
                 代表主席コンサルタント 小池浩二
 
 

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