コラム

仕事の知恵袋

2020年12月4日◆ ◆ 時間を過ごす会社と子供に自慢できる会社 ◆ ◆

パートさんが会社の良さを伝えてくれる・・・

■時間を過ごす場所が会社
 
ある創業100年を超える食品メーカーのA社事例である。
100年を超えているから、その分野では老舗である。ましてやこの会社の創業者はその分野を日本で広めたとして、特産地に銅像が建っている。
 
しかし、こんな誇りと感じられる事でも社員・パートはお構いなしである。唯単に時間を過ごし、給料をもらいにきている集団としか外部からは見えない。会社の歴史、概要、商品がどのようなところで売られ、どのようなお客様が買い、どのような食べられ方をしているかは興味がない。
 
勿論、会社も教えていないから悪いが、パートさんと話しても出てくるのは『会社への不平・不満』ばかりである。だからパートさんの入れ替わりも激しい。
 
会社の良さを知る前に辞めてしまうのである。当然の如く、パートさんは自社製品を買わない。新しい人は『会社の今を見て』判断する。会社の歴史等については、知らないから判断材料に加味されない。だからうまくいかない。
 
このような会社の社長は穴熊タイプの社長が多い。つまり、社員との触れ合いが少ない社長である。
 
■子供に自慢できる会社で働く喜び
 
社長は会社に対してインナーセールスをする人と認識持つ社長もいる。
ある洋菓子メーカーB社の社長もそうである。
 
この社長は常に従業員が集まるミーテイング・朝礼にて会社の歴史・価値観・現況について必ず短時間でも説明し、本題に入る。縁があって、働いているこの会社の事をよく知ってもらいたい。
 
この社長の考え方に『親が自分のしている仕事・働いている会社を自慢できる事は大切な子供への教育』がある。つまり地域社会の一員として会社は貢献しなければならないとする考え方が根底にある。
 
だから、社内に対してトップセールスを繰り返す。そうするとパートさん募集も『あの会社で働きたい』と応募を出さなくても、来るようになった。働いているパートさんが会社の良さを伝えてくれる事により、人材誘致セールスを自然としていたのである。
 
この会社の従業員・パートの人は自分達が作ったお菓子をスーパーでどのような人が買うかをよく観察している。戦闘能力の高い会社は足元にある事をキチンと出来る。
 
■その後のA社とB社
 
時間が経過して
*A社は倒産
*B社は洋菓子の特定分野で日本一に成長された
 
   ご参考にしてください。
                               
                             以上
 
                                                マイスター・コンサルタンツ株式会社
                 代表主席コンサルタント 小池浩二
 

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