コラム

仕事の知恵袋

2020年4月26日◆ ◆ 見方を変えると違うものが見えてくる ◆ ◆

戦略視点で現在の環境を考えると・・・

■フアーストコンタクト
 
フアーストコンタクトとは『お客様が困ったなと思った時に最初に我社を思い浮かべてもらう事』であり、仕事を作り出せる企業に共通している要素である。
 
■顧客のニーズ
 
顧客のニーズは顧客が一番よく知っている。ニーズを見つける方法は、お客様の不の解消。
 
お客様が不と感じる要素は
〇不満
〇不便
〇不安
〇不要等と色々ある
 
■倒産寸前で復活した世界一の家周りの町医者
 
*2015年10月12日配信メルマガより
 
岡山市北区建部町にある社員10名の(株)小坂田建設の話。建部町は合併により岡山市になったが、過疎化・高齢化が進んでおり、全2500戸の限界集落に近い地域もあるエリア。小坂田建設は2009年に倒産の危機に直面し、仕事を分析すると町全体(2500戸)のエリアに対して、実際の仕事は6分の1の430戸でしか行っていない。もっと地元に目を向けて、町内全域をエリアに仕事をしようと月1回、当社を知っていただこう2500戸にチラシ配布。当社の仕事、お客様から寄せられた困りごとなどを掲載。
 
そうすると、建設サービス業としてのニーズが見え始めてきたそうです。
 
《高齢化によるニーズ》
・玄関やトイレの手すり取付け・草刈りや木の伐採・墓そうじ
 
《過疎化によるニーズ》
・住まなくなった家の解体・田の管理
 
《少子化によるニーズ》
・田を耕してほしい・不要なものを捨ててほしい
 
《空洞化によるニーズ》
・雨漏りや鍵を直してほしい・ペンキを塗ってほしい
 
《中山間地域のニーズ》
・裏山を崩れないようにしてほしい・山道をつけてほしい
 
 
昔は土木中心の建設会社。現在は【お家周りの町医者】になり、倒産寸前の会社から6年連続黒字、顧客数増加の成長企業に転換。高齢者比率41%の地域特性を深く掘り下げる事で、物を立てる建設業から、人の居る所でサービスを行う建設業で復活した会社。
 
■2020年4月に対前年比150%の企業
 
現在の環境で売上を伸ばしている企業の特徴は2点。
 
●まず、サプライチェーンの影響で工業製品部品が中国(主に)から入荷しない為に完成品が出来ない状態にあります。それに困っている国内メーカーが、部品を急遽国内メーカーに発注しているケースで、それに対応できるメーカーは売上が伸びています。例えば、金属メッキメーカーは土・日関係なく仕事へ対応している状況です。
 
●顧客が困っている商品を調達できて、速やかに販売・納品できる企業です。
 
ある企業は贈答品関連の卸販売をしている企業です。この会社はどの企業でも困っているマスクの大量仕入れルートを急遽確保して、既存顧客限定で販売を始めました。Aランク、Bランク、Cランクの順番に顧客に連絡を入れて販売活動を行い、4月売上前年対比が150%と伸びています。現在の環境でマスクを販売したら売れる事は誰でも想像がつきますが、この会社のすごいのは、その仕入れルートを確保して実現している事です。これも普段の仕入れ先確保の動きが緊急時に功を奏しています。
 
■見方を変えると違うものが見えてくる
 
現在の環境は損益ではなく、財務で物事を考える時期です。
また、このような見方もできます。売上高を考える事も当然ですが、戦略視点で現在の環境を考えると、財務的に余裕のある会社は同業他社の買収等に動く時期でもあります。財務対応ができない企業は、市場撤退に手を上げるしかありません。コロナ騒動初期の3月?4月の倒産企業はコロナで倒産した会社ではありません。元々倒産する企業だっただけです。これからコロナ倒産が出てきます。買収等の中には、営業権、優秀な人財も含めます。
 
ご参考にしてください。

以上
 
                                 マイスター・コンサルタンツ株式会社
                                代表主席コンサルタント 小池浩二
 

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