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2016年10月17日  ◆ ◆ 人事考課は育成主義が基本 ◆ ◆


人事考課の季節と・・・




■人事考課制度とは

人事考課と健康診断は双方ともその進め方・ねらいとする点に類似点があります。

◆健康診断

通常の健康状態を基準として、データ測定・問診を行い、その結果にて個人別に医師が直接指導を行います。

◆人事考課

社員個々人の仕事ぶり・能力を対象にしています。

このように人事考課とは、上司・部下の話し合いにて仕事・能力開発の基準を決め、その基準に照らして相互評価をし、健康相談的に次ステップへの推進対策を行うことをいいます。

多くの企業では人物品評会と化した相対評価スタイルが多く、マル秘査定・非公開闇討ち評価になっている事が多い。

この人事考課の基本の以下の3つの柱から構成されます。

■人事考課における能力考課

人事考課における能力とは『職務遂行レベル向上につながる保有能力』です。

保有能力とは、本人の持っている能力で、習熟度・体得度・技能度としてとらえるもので、あくまでも職務遂行レベルアップにつながるものでなくてはならない。

社員個人が仕事にて活用する知識・技術の保有レベルを客観的に示すモノサシで、昇降給・昇降格・適正配置に反映されます。

■人事考課における成績考課

人事考課における成績とは『業績成果』です。

能力考課の評価はあくまでも本人の保有能力であり、会社の業績を絶対的に確約するものではありません。

賞与は対象期間の会社業績に反映されるので、根拠となる業績について評価する事が、この成績考課の意味です。

成績考課は、知識・技術は保有するがアウトプットが出ないと意味を成さないのでアウトプットの評価基準が賞与に反映されます。

■人事考課における基本動作考課

人事考課における行動基準が『基本動作考課』です。

わが社の社員に求められる行動基準(求められる行動モデル)を明らかにし、具体的に作成します。この考課には、『情意』という表現もありますが、

●責任性はどうか?

●協調性はあるか?

で評価項目を作成すると、評価する者・される者双方ともに評価する時に人物品評会となり、評価ゴッコに陥ります。

業績を作り上げる要因のひとつは基本動作ですが、業績が崩れ落ちる最大の要因も基本動作。会社として期待する人財を育成するために必要な基本動作を表すもので、業績オンリーでは駄目だとする考えの基準で賞与、昇降給・昇降格に反映されます。

■査定主義 から 育成主義 へ

これまでの人事考課は、賃金決定のための審査に偏っていました。

これからは人事考課を通して、開発すべき点を発見し、上司・部下の協働作業で職能開発に当たらなければなりません。

また、これまでの人事考課内容は、一般の人へは非公開でした。

評価内容が知らされなかった人が多かったのです。

これは能力開発の見地から見ても機能不十分ですし、考課に不信感が生じます。

これからは、業績・職務・能力開発の達成度の評価・反省を自己申告でき、上司・部下の面接を通し、長所・是正点を確認する事で社員の育成目標が明確になります。

これから人事考課の季節となります。

ご参考にしてください。

 
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