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2016年7月19日 ◆ 2020年を乗り越える精神的給与支給 ◆


労務対策は戦略で考えないと、2020年を・・・



■賃金・賞与・査定・評価に対する代表的な社員の生の声

弊社が企業診断を実施する際に労務に関するアンケートを実施しますが、その際に出てくる代表的な社員の生の声です。

◎賞与の説明は具体的にされていない

◎賞与の額は妥当とは思うが、自分のレベルがアップし、生産性に貢献したら年齢、勤続年数とわず、給料を上げて欲しい

◎賞与はいくら利益を出せば上がるのだろうか?

◎賞与の額は少ない。多分、手を抜いて仕事をしている人たちの分まで払っているからだと思う。評価によって、もっと賞与に差をつけた方がよい

◎査定・評価はしているらしいが聞いたことがないし、聞かれたこともない

◎給料の査定が年齢で決まっている気がする。やった人にはもっと増やしても良いと思う。個人的にはもっとほしい

■社員要求の原則5段階

人間には、マズローという心理学者が提唱した人間本能の持つ要求段階(マズローの法則)があります。

人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が充たされ

ると、より高次の階層の欲求を欲するというもの。

≪1段階 生理的な要求≫・・食べたい、寝たい等の人間本来の原始的な要求

≪2段階 安全の要求≫・・・身の危険がなく、安心して生活できる要求

≪3段階 帰属の要求≫・・・自分が社会と関わる位置関係を明確にしたい要求

この1~3の欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。

そして、4~5の欲求は内的な心を充たしたいという欲求に変わります。

≪4段階 認識の要求≫・・・人に認められたいとする要求

≪5段階 自己実現の要求≫・・・自分のやりことが出来、達成できる要求


この5段階を会社に例えると

≪1段階 生活安心の要求≫

生活する為に賃金を確保したい・・・賃金の確保

≪2段階 仕事確保の要求≫

継続して働く職場の確保(倒産したくない)・・・倒産回避

≪3段階 迷い成仏の要求≫

職場での自分の目標・役割の認識・・・会社・部門・個人の目標明確化と浸透

≪4段階 評価納得の要求≫

自分の評価基準を知り、その内容に納得・・・評価の納得性を高める人事システム

≪5段階 将来一致の要求≫

会社の将来と自分の将来方向性の同一性・・・会社の理念・ビジョン

1.2段階の要求には青信号で応えているが、3段階の『迷い成仏の要求』になると、黄色信号が点滅し、4・5段階の要求段階になると赤信号の点滅状態になる会社が多いのではないでしょうか?

■今夏の賞与から直ぐに出来る事

我社に労務政策の戦略はありますか?

自社の労務政策戦略において勝負ができる最適な場所・勝てる場所とはどこですか?

*勝てるとは社員が満足する事

月給、賞与の額・休日数等の数字として見える労務政策で勝てる中小企業はごく僅かしかない。

結果として、数字として見えない労務政策に勝てる場所を求めるしかない。

*高い付加価値をただき出せる会社は別

今夏の賞与から直ぐに出来る事は、

◎評価内容・額について、会社の利益状況・資金状況と照らし、社員に一人一人に説明する事(賃金は社員一人一人が主人公である)

◎トップダイレクトレポートを提出させる。

評価内容、方法・額についての感想・次回への改善点を社長宛にレポートする。

この内容は、社長以外絶対に見ない事が必須条件であるが、社員の本音・生の声が聞け、参考になる。

戦略とは最適な場所を見出し、勝てる場所で勝つ事です。

労務対策は戦略で考えないと、2020年を乗り越えられません。

この分野での勝てる場所は精神的給与支給での戦い方がポイントになります。

 

                              以上

 
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