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2016年5月23日 現場の現実

大手企業の自社社員引き抜き行為…

■現場労働力の引き抜き

5月に入り、お会いする経営者の会社で7割発生している共通のテーマがある。

それは、大手企業の自社社員引き抜き行為。

その方法も用意周到にピンポイントで抜きたい社員をピックアップし、様々なアプロ-チをかけて抜いている。

労働市場が不足しており、特に現場業務を理解している労働者の不足が顕著になっている。

現場の労働力対策として

・高齢者 ・女性活用  ・外国人  ・ロボット等とマスコミはいうが、現実的な速攻対策は他社からの引き抜きである。

大手企業の引き抜き方法は単純で、賃金や休日を中心とする短期的に計算できる要素で誘っている。

目標を【現場業務をできる人材を引き抜く】と設定すると、数の勝負(賃金・休日)で絶対的不利な中小企業に、勝てる要素をぶつけている。

戦略展開としては、分かりやすい方法をとっている。

恐らく、この流れは2018年位までは続くだろう。

しかし、引き抜かれた人材は2019年以降は、流動性労働力(固有技術・判断能力の低い人材)なる可能性が高く心配である。

■引き抜き対策

中小企業の立場で考えると、引き抜き対策をどうするかである。

基本対策は、【数では勝てないから、目に見えないテーマ】で勝つ事になる。

若者が感じる職場の魅力はいろいろあるが、やる気にさせる技術をもって対応する事は重要であり、そのポイントを8点ご紹介します。

●現状に対応した自社の魅力を伝達し、再発見させる

◎企業の魅力を正しく伝える
◎エース人財である社長の人柄・熱意等を伝える

●共感を得る魅力の発信方法

◎この会社で働く事で、将来どのように成長できるかどうかを発信
◎幹部・社員がビジョンや魅力を社員に語る(経営者だけではない)
◎若手社員と1対1で話す機会を設ける

●自分の働く姿がイメージできる安心感

◎将来の自分がどんなふうに働くのか、働く姿をイメージできるようにする
◎夢を現実にする為の個人ビジョンを持たせる

●意思決定に参加させる

◎部下に意見を言う場や決定を下させる場をつくる
◎会議の場など意思決定の場で、 部下の意見を積極的に求める

●即座にフィードバックを行う

◎若手はやる事に対する不安感がある為に、結果・感想は早く伝える
◎「悪い」と指摘する時は原因と対策を明確に示す
◎褒めたり注意する時は「気がついた時、 その場でが最も有効

●新しい役割りを付加する

◎仕事に慣れた頃に、新しい課題や 仕事を与える
◎高い視点、 広い視野がもてる仕事を与え、 現在の仕事を節目でリセット

●成長ステップを設定

◎途中途中の小目標である「成長ステップ」を明確にすること
◎早い時期に部下の「弱点」、「強化ポイント」をアドバイスし、 一緒に考える

●成果発表の機会を設ける

◎部下が出した成果、そこに至るプロセスを発表させ、スポットライトに当らせる
◎認めてもらう喜び・達成感を体験させる

                              以上

 
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