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2016年3月7日 貧すれば鈍する

負ける事の因果関係は必然的要素が強く…

■会議という名の儀式

業績が上がらない典型的なA社の営業所長会議に参加した。

業績は上げる為の方策を検討をして、やるべき事をやらねば上がらない。

A社の業績は連続して売上も減少し、営業利益段階で赤字状態になっており、典型的な減収・減益企業に陥っている。

会社再建のご依頼があり、どんな様子か確認したわけであるが・・・・

会議とは『会して議し、議して決し、決して行い、行ってその責を取る』事が本質であり、集まったら業績に関し議論をする事であり、その中身は反省と今後の対策である。

業績の上がらない会社の会議は反省ばかりに時間をとり、今後の対策検討に力を入れない。仮に入れたとしても内容の浅さが浮き出ている。

A社も9月で上半期が終わるので、その見通しと今後の対策について営業所長が集まって会議を行ったわけであるが、その中身を見ると

①上半期の数値を掴んでおらず、会議の席上で確認をする有様
②『数字』に約・おおよそ等の言葉がついて説明する
③暗算能力が高いのかわからないが、電卓を持参しない
④業績が未達成の要因を正当化する技に長けている。
⑤責任感を感じているふりをして、儀式を逃れようとする姿勢がみえみえ
⑥9月以降の対策検討がなされない
⑦負け犬根性が蔓延しており、あきらめムードが強い

■一事が万事

社長は会議の進行を部長に任せようとするが、黙っている事が出来ずに、営業所長に細かい点を確認しながら、会議という名の儀式を進ませ、昼食休憩の時間になった。

昼食休憩にはお弁当が用意されたが、これも不思議なもので業績が上がらない営業所長達は配膳等の手伝いをしない。

この会社で食事の配膳で一番気を使い、準備をしているのが社長であったのだが、その姿を見て営業部長は自分の分を取って食べてくださいというだけで、B所長に続いて2番目に食べ始めた。

お茶を配ったり色々、全員が食べれる準備を社長が何故するのか?

それは誰もしないからである。

勿論、言わない社長にも問題はあるが、営業所長達が何も感じない事が最大の問題である。

■業績向上に奇策なし

A社の状態をご紹介するとよっぽどひどい会社だと思われがちであるが、実は非常に今後伸びうる『商材の展開』の種を自社の固有技術として持っている会社であり、やり方によっては今後成長企業になりうる可能性を秘めている会社である。

外部の第三者からみるとうらやましいぐらいの経営資源であるが、内部にいると自分達で見えなくすることが多くなる。

『貧すれば鈍する』という言葉がある。

業績の落ち込みが続くとその環境に慣れきってしまい、自分達には出来ない、無理だとか否定的な発想・考え方に陥り、自分で勝手に墓穴を掘る事である。

負ける事の因果関係は必然的要素が強く、やるべき事が出来ていないから、負け続ける事が本質である。

 
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