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2016年2月1日 日本の縮図

既存のマーケットに既存の商品をぶつけて成長がダメ…

既存のマーケットに既存の商品をぶつけて成長がダメ・・・

旧知のある地銀の常務執行役員が地方出張に行った際の話。

人口減少の激しい地方の5万人都市で他の銀行の支店を見た時に、この執行役員は、【この町の銀行の支店長はどのような仕事をするのか?イメージがわかない】と感じたそうだ。

人口減少とは、法人数の減少でもある。

この人口減少が、銀行に与える影響は、預金がピークアウトしていく事であり、単独では銀行経営そのものが立ち行かなくなる事を意味している。

地銀の資金量上位10行は横浜、千葉、福岡、静岡、常陽、七十七、京都、西日本シティ、広島、群馬で、関東に4行ある。

関東は経済規模が大きく、他の地方に比べて人口減少も緩やかなため、地銀の経営は比較的安定している。

だが、メガバンクなど大手行に加え、16の地銀・第2地銀が1都6県で競い合う激戦区。

第一位の横浜銀は第2地銀の東日本銀行(東京都)と2016年4月に経営統合。

北関東を地盤とする筑波銀行と栃木銀行と東和銀行の3行は地域経済活性化で包括的に連携。

常陽銀行(茨城県水戸市)と足利銀行(宇都宮市)は経営統合。

戦国時代の国盗り合戦ではないが、横浜銀行が多摩川を超えて、常陽・足利連合が千葉、埼玉経由で、群馬銀行が埼玉経由で東京に本格進出しようとしている。

単独経営の群馬銀行は昨年10月に川崎市に支店を開設した。

川崎市は、先端産業や研究開発機関が集積し、便利で住みやすいまちとして人口が147万人。

ちなみに群馬県の人口は200万人。

群馬と神奈川の位置関係は、埼玉・東京経由で神奈川となり、2つの都道府県を超えての進出。

それだけ魅力のあるマーケットになるのだろう。

この戦略展開は、既存のマーケットに既存の商品をぶつけて成長がダメなら、他のマーケットに既存の商品をぶつけていく成長させていく戦略の典型的例である。

このパターンが全ての中小企業に合致するとは云えないが、一考するテーマでもある。

 
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