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2015年1月13日 マーケットの特性が生み出す残存者利益のパターン


  
団塊世代の退職によって縮小しているマーケットはいくつかある。

その一つがスーツ市場であるが、大手紳士服専門店は業績を伸ばしている。

業界需要は、百貨店が20年以上紳士服の売上高を落とし、量販店もスーツの取扱いを減らし、スーツ市場はピーク時に比べて6掛けの900万着台にまで落ちている。

ユニクロに代表されるカジュアル系の製造小売りは、次々に新興勢力が生まれるが、スーツのチェーンストアでは生まれていない。

つまり、

○大きな成長は期待できなくても、なくならない商品である

○新規参入が容易ではないこと

特にこの2点から残存者利益を獲得している。

戸建住宅のタイルの外壁工事を行っている上場会社があります。

戸建住宅の外壁工事では、サイデイング仕様が主流だが、タイル工事も近年増加している。

タイル工事業界は、ほとんどが個人事業主のため取引先信用リスクを重視する大手ハウスメーカーとの取引では独占状態。

関東におけるタイル工事のシェアは30%程度だが、大手ハウスメーカーからのタイル工事マーケットでは、残存者利益を享受している。

これは、選んだ、もしくは選ばれたマーケットでのシュアNO1になる事によって、残存者利益を獲得している事例でもある。

 
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