コラム

継栄の軸足

公開型経営でない職場は違和感を感じる

何故、同族経営なのかと言えば、中小企業は自己資本が少ない。そこで当然他人資本を入れなければいけない・・・

■考え方の公開

我々が生活する環境は、大きく変わっている。
今は情報を公開・共有化する社会。代表的なものが携帯電話、ホームページ、テレビでは衛星放送である。自分が見たい情報、欲しい情報を世界中から瞬時に入手出来るのが現代社会である。この『生活の様式、社会環境の変化』に、応じた『会社の運営方法、会社の環境』を創らないと結局、会社は社員にリストラされてしまう。
公開経営と聞くと何でも数値の公開と考えがちになるが、そうではない。先ずは考え方の公開である。1日の中で一番多くの時間を費やすのは仕事であり、その場所は職場である。
その『職場環境が公開型社会でない』と非常に違和感を感じる。考え方の公開とは我が社の経営理念は、我が社のビジョンは、今期の経営方針は、我が社の価値観とは、etcである。
この『会社の魂・意志』である考え方を公開、理解、共有させないから、社員は魅力を感じずに会社を『ヒトゴト』と受け止める。

■数値の公開

その次に数値の公開がある。経営数値は専門学であるので読み方や中小企業独特の数値の背景に隠れている意味を理解させないといけない。
例えば経営者の方が心配される点として、役員報酬の公開はどうすべきかと言われる。
中小企業の場合は同族経営である。何故、同族経営なのかと言えば、中小企業は自己資本が少ない。そこで当然他人資本を入れなければいけない。他人資本の代表は金融機関からの借入れである。担保能力がないと金融機関はお金を貸してくれない。担保提供は資産のある経営者一族になる。だから必然的に同族経営にならざるを得ない。ですから結果として役員報酬も高くならざるを得ない背景がある。 こういう背景、意味合いをキチンと教えていくと社員の皆さんは理解できる。『能力がないからわからないのではなく、勉強する機会がないから理解が出来ていない』だけである。
その上で、会社の実績数値を公開しながら且つ、自分達で数値の予算、予測を立案出来るように訓練しなければならない。
そして経営施策と数値との関連性を理解させていく。例えば粗利益と人件費との関係、
在庫と資金繰りとの関係である。
私の経験から見ると最初はトンチンカンでも必ず、理解でき、活用できるようになる。

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